CANDLE JUNE'S VOICE
「3.11 あの日のことを忘れない!」ではなく
あれから毎日
「今日、子供達がどうしたら笑顔で過ごせるか」
と生きてきた福島の大人たちがいること
その一人一人の声を聞いてほしい
この先の未来はその声のもとに作られるべきだ
わたしは26年間
灯すべき場所で
灯すべき時に火を灯してきた
そして必ずその火は消してきた
毎月11日に福島で灯し続けているが
それは追悼の灯火ではなく、
「まだみんな元気でやってるぞ!」
というサインの灯火
福島から世界が学び、
原発がなくなる時を迎えた時に追悼の火を灯し
そして感謝を捧げて、その火を消したいと思う
どうかその日を迎えるまで
NOT THE END
CHROME ART CORPS
ヒトのココロを躍らせるアートを媒介し、私たちの街を前進させ、より良い場所にしようとするアーティストたちとCHROMEが取り組むさまざまなプログラム“CHROME ART CORPS”。日本での第1弾は、CANDLE JUNE氏のアクションやアートを象徴するキーワードであり、継続的に制作してきた月命日のキャンドル名でもある“NOT THE END” とのコラボレーションとなった。そして今回のプログラムの収益は、CANDLE JUNE氏が代表を務める一般社団法人『LOVE FOR NIPPON』へすべて寄付される。
CHROME ART CORPS
"NOT THE END 311×CHROME" ARTIST TEE
商品はこちら
ABOUT:LOVE FOR NIPPON
東日本大震災を機に2011年3月設立。代表のCANDLE JUNE氏は、3.11以前からハイチ地震や新潟中越地震などの際に支援活動をしてきた経験から、チームとして継続的に取り組むことの必要性を感じ、『LOVE FOR NIPPON』を立ち上げた。被災者の方々と直接的に繋がりながら長期的に活動し、復興までの歩みを共にする団体を目指している。
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【INTERVIEW】CANDLE JUNE
〈CHROME ART CORPS〉
アーティスト・CANDLE JUNEが灯した20年と“NOT THE END”
CHROMEがインスパイアされたアーティストとコラボアイテムを制作し、その売り上げを寄付する『CHROME ART CORPS』。その一環として、“キャンドルデコレーション”というジャンルを確立した第一人者であり、『LOVE FOR NIPPON』の代表も務めるCANDLE JUNE氏とのコラボTシャツが3月11日にリリースされる。今回はCANDLE JUNE氏のアトリエを訪れ、“Candle Odyssey”の旅と『LOVE FOR NIPPON』の活動を振り返りながら、制作した“NOT THE END”Tシャツへの想いを探った。
[Profile:CANDLE JUNE]
1994年にキャンドル制作をスタート。さまざまなフィールドにおいて“キャンドルデコレーション”という空間演出のジャンルを確立する。東日本大震災が発生した2011年には一般社団法人『LOVE FOR NIPPON』を設立。現地での継続的な支援に加え、毎月11日の月命日には福島各地でキャンドルナイトを行い、 3月11日には復興イベント『SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA』を開催している。
INDEX
■Vol.1 “Candle Odyssey”という旅と『LOVE FOR NIPPON』。CHROMEとの共通点と繋がるストーリー
■Vol.2 10年目に向けてチャレンジしたクラウドファンディング。それぞれの解釈の〈NOT THE END〉
〈Vol.1〉
“Candle Odyssey”という旅と『LOVE FOR NIPPON』。CHROMEとの共通点と繋がるストーリー
ギャラリー、サロン、ファッションショー、レセプションパーティー、大型フェスティバル……さまざまな空間を唯一無二の“キャンドルデコレーション”で演出してきたCANDLE JUNE氏。ただしその活動と表裏一体で存在する、CANDLE JUNE氏の“もうひとつの顔”を知らない人はもしかしたら多いのかもしれない。
それは、被災地の緊急および継続的な支援を行う『LOVE FOR NIPPON』の代表という顔だ。『LOVE FOR NIPPON』は、東日本大震災が発生した2011年3月11日のわずか3日後に設立。同団体は以後、福島をはじめとする被災地で地道な支援活動を続けるとともに、毎月11日の月命日にはキャンドルナイトを、そして3月11日には復興イベント『SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA』を開催してきた。
また、CANDLE JUNE氏は新潟中越地震(2004年)の際にも被災地支援を行い、『SONG OF THE EARTH』はそのときに始まったイベント(新潟での開催は2018年が最後)。そしてCANDLE JUNE氏のアクションは遡ること20年前の2001年、広島で原爆の残り火とされる“平和の火”を灯し、そこからアフガニスタン、アメリカ、中国、ネパールなど、世界中の悲しみの地を巡った“Candle Odyssey”という旅に端を発する。
“『自分が生きることは自分の命をつくることでもある』という考えでキャンドルを始めました”
「海外ではよくキャンドルを寿命に例えます。ただし、寿命に例えたときに“生かされている”という表現が出てくるのはわかりますが、元々自分は『自分が生きることは自分の命をつくることでもある』という考えでキャンドルを始めました。それが18歳で、ハタチを迎える頃にはもうCANDLE JUNEを名乗っていたので、今思えば相当ハッタリをかましていたなとも思います。ただし、キャンドルを売る店や作る人は海外にもいましたが、キャンドルデコレーションというジャンルをつくったのは自分だという自負はありますし、誰もやっていないことだからこそできたのかもしれません」
悲しみの地でキャンドルを灯すとともに、復興のアクションを起こしてきたCANDLE JUNE氏とCHROMEの今回のコラボレーション。それはまずCANDLE JUNE氏が懇意にしていた知人がCHROMEにいたこと、そしてそこからCHROMEが『LOVE FOR NIPPON』に対してコロナ禍においてマスク、または熊本での水害の際にバッグなどを提供した、という復興支援における繋がりがきっかけとなっている。
「『LOVE FOR NIPPON』はすべての業種が災害支援をできると考えていて、現地に行って足りないものを僕たちが把握して、そのマッチングをしていると思っています。これまで被災地で使われずに山のように積まれた物資をたくさん見てきました。その経験から、『LOVE FOR NIPPON』はどこで買ってきたのかもわからないものを被災地の方たちに渡すのではなく、『こういう人がこういう想いでつくっているものです』と、そのものの価値をしっかりと伝えた上で物資を渡したいと思っています」
さらにCANDLE JUNE氏は、CHROMEというブランドに自身の活動におけるスタンスとの共通点や、続けていった先に生まれるストーリーの魅力を感じていた。
“一貫しているけどカテゴライズできない魅力を
CHROMEというブランドには感じます”
「CHROMEは創業者が好きなことをやっていて、ブランドとして自分たちのライフスタイルに必要なものを作っているイメージがあります。自分たちのリアリティのみを追求する姿勢には共感しますし、それを続けていった先にすべてのストーリーが繋がっている。一貫しているけどカテゴライズできない魅力をCHROMEというブランドには感じます。僕も10代のときからジャンルレスでありたいという想いがずっとあって、CANDLE JUNEという名前も『“CANDLE”を作っている“JUNE”というのをそのまま名前にするからそれで完結してくれ』というテーマで付けた名前でした。今思うのは“キャンドルアーティスト”ではなく“アーティスト”でありたいということ、そして自分の活動を『これはアートです』と表現したいということ。今ならここまでのストーリーがあるのでそれを言えるかなと。復興支援に関しても最初から先を見て始めたわけではないですし、自分ごととして始めたことが今に繋がっている。それらを含めて、僕がしていることすべてがひとつのストーリーだということを知ってもらいたいです」
CHROME ART CORPS
"NOT THE END 311×CHROME" ARTIST TEE
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〈Vol.2〉
10年目に向けてチャレンジしたクラウドファンディング。
それぞれの解釈の〈NOT THE END〉
東日本大震災から10年という節目を迎える2021年3月11日。ただし、今年は大きな変化が。それはCANDLE JUNE氏と『LOVE FOR NIPPON』が2020年の年末からスタートしたクラウドファンディング。復興イベントにおける活動費用や、『LOVE FOR NIPPON』の事務局での費用を集めることが目的とされたが、クラウドファンディングを実施するにあたってCANDLE JUNE氏の胸の内には葛藤があった。
“『自分ごとではないのに自分ごとに思って』
支援してくださる方たちがいる”
「2020年の12月からクラウドファンディングをスタートしましたが、年を越しても目標金額の20%にも達しないような状況で、そのときに自分も仲間たちもこの10年を振り返って『本当にこれからも続けていけるのか』『復興とは。被災地支援とは』と毎日考えさせられました。ただし徐々に支援者が増えていき、なおかつ多くの方たちがメッセージも送ってくれたんです。そのメッセージを読むことで、『自分ごとではないのに自分ごとに思って』支援してくださる方たちがいるということを再確認し、なおさらしっかりとゴールしなければいけないと強く思いました」
2021年2月11日まで実施されたクラウドファンディングは、最終的に目標金額の6,540,000円をはるかに上回る9,070,000円で達成した。そしてその支援者たちの想いを受けて発信する2021年最初の場として、3月11日には福島県・Jヴィレッジにて『SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2021』が開催される。
さらにその3月11日に合わせて、今回のCANDLE JUNE氏とCHROMEのコラボTシャツがリリースされ、その売り上げも『LOVE FOR NIPPON』に寄付される。
"〈NOT THE END〉と思うことがある人に着てもらって
そこから繋がりが生まれたらうれしい”
「〈NOT THE END〉というラインのキャンドルを月命日に販売しているのですが、CHROMEさんから今回のお話をいただいた際に、自分のアクションやアートを落とし込んだ〈NOT THE END〉でTシャツを作りたいなと思いました。そしてできれば〈NOT THE END〉を始めたきっかけが原発事故だったので、そのときのキャンドルの写真を使ってできたらいいなと。ただしこのテーマは原発事故のみの話ではないとも思っているので、人それぞれいろいろな解釈で捉えてもらえればいいし、〈NOT THE END〉と思うことがある人に着てもらってそこから繋がりが生まれたらうれしい」
くしくも2021年は“Candle Odyssey”の始まりから20年、そして『LOVE FOR NIPPON』が発足してから10年という節目の年。その期間に感じた矛盾や葛藤をすべて引きずった上で、今再び前を向いて進む決断をしたCANDLE JUNE氏。今年の『SONG OF THE EARTH 311 FUKUSHIMA』はより特別な意味を持つだろう。
「『今年の3月11日もまた復興イベントをやります』だけでは、年に1回やるイベントとしか思われない。自分たちがやってきたことは3月11日も通過点であり、“点”ではありません。今年の『SONG OF THE EARTH』ではこの10年の良かったことも悪かったこともしっかりと総括してこれからに生かすために、“福島、その先の環境へ。”をテーマにシンポジウムなども開催します。そうしてこれまでの活動をすべて繋いでいくことで、3月11日が“点”ではなく“線”になる。そしていつか『福島のおかげで世界が学んだよ、ありがとう』と言われる日が来たら、そのときに初めて本当の意味で『安心して成仏してください』という追悼の火を灯したいと思っています」